ドイツ!初のヴィーガン幼稚園と周囲の反応

http://www.spiegel.de/gesundheit/ernaehrung/vegane-ernaehrung-fuer-kinder-wie-gut-ist-sie-geeignet-a-1221323.html


これまでドイツの保育園や幼稚園では、

ベジタリアンの家庭の子供にはベジタリアン対応という応急処置のような対処が施されてきましたが

この度、フランクルトでついにヴィーガン幼稚園を開くということで話題になりました。

このニュースは海外でも取り上げられたことだと思います。


言うまでもなく、

子供の健康を危険にさらす無責任でひどい計画だ。と主張する人

自分だけが良ければ良いのではなく、ヴィーガニズムは持続可能なアイデアだから素晴らしいわ

と主張する人がいるわけで、

双方譲らず、ドイツ国内でも波紋を引き起こしています。


そんな中、シュピーゲルがどちらかというと

アンチヴィーガンな目線で上の写真の記事を発表しました。

(タイトル抄訳)

”ヴィーガンの親たちは完全菜食で全然大丈夫って口を揃えていうけど

子供は完全菜食で健康的に育つ、は本当か?”

そして本文中では筆者によってその理由を並べたてられ、この疑問は否定されます。


ヴィーガンの栄養を否定する方々は、よく植物からは比較的得難い栄養をひっぱりだしてきて

コレが足りない!だから不健康だ!

という方向にもっていく傾向がありますが

実際に計画的なヴィーガンの家庭に数日滞在してみれば、食に対する計画性と意識レベルに

驚かされることだと思います。

そして統計的に雑食者に欠けがちな栄養の中で

ヴィーガンなら十分得られる栄養もあるという事に気づくでしょう。


たとえば葉酸(ビタミンB群)、ビタミンC、マグネシウムなど

野菜、果物、全粒穀物を中心に食しているヴィーガンなら不足することはほぼありません。

雑食者であれば大抵の妊婦さんが

葉酸が足りていないから摂るようにと、病院で指導されるのではないでしょうか?

たんぱく質に関してもヴィーガンには不足していると思われがちですが調査によるとそんな事もありません。

”グルテンフリー”をより健康な食生活だと信仰する人も多くなりましたが、

ヴィーガンにとってはグルテン(タンパク質)の含まれるような

穀物は大変重要なタンパク質源ですので

200名に1人程度で発症するシリアック病を恐れて、元気なうちから避けるのは勿体無いと思います。

(もしシリアック病を発症した場合は、グルテンフリーを導入するしか今の所ないようです)


Davey et al., 2003; Waldmann et al., 2005

実際に意識的にたんぱく質を摂取するようになれば気がつきますが、

植物性食品でもたんぱく質が豊富なものはたくさんあり、多種多様な食品を組み合わせることで

素晴らしいアミノ酸バランスのたんぱく質を摂ることができます。


ですが、

シュピーゲルの批判にもあるように、

ヴィーガンにビタミンB12が欠乏しやすいのは本当で

完全菜食の実践者にとっては最も重要な栄養素と考えられています。

雑食の方でも高齢者は特にビタミンB12は不足しがちですし、

現代人ならビタミンB12が欠乏することは決して珍しくはないのですが

雑食の方の場合、畜産業の飼料に添加されたサプリメント由来でも得られるからです。


ビタミンB12の補給は最新科学に基づいて不可欠とされています。

特に妊娠中および授乳中にその必要性が増加します。

人間は体内にB12を数年分貯めておくことができますが

(だから補給しないでおくとヴィーガン数年目にB12が枯渇し急に体調をくずしたりしますね)

乳児はまだ十分なビタミンB12を体に貯めていない状態なので、この栄養を十分に摂ることが非常に重要となります。そして母乳中のビタミンB12の含有量は母親のコンディションによります。

ヴィーガンの母親は乳児の為にもビタミンB12を摂ることに十分注意を払わなければならないのです。

現在多くのヴィーガンはそのビタミンB12をサプリメントで補っています。

VeChiの現在の研究の中間報告によれば完全菜食で育つ子供の95%が

ビタミンB12をサプリメントで補っておりそのように両親に教育されているとのこと。

完全菜食の家庭でしっかりと完全菜食の欠点を子供に伝えていて素晴らしいですね。


ビタミンB12はシリアルやグラノーラ、歯磨き粉、豆乳ヨーグルトなどにわずかに添加されている事も多いでが、私自身も現在液体のサプリメントで摂っています。

欠乏を自覚してからでは、ちょっと遅いと思いますしもう長い間菜食ですので周囲の非ヴィーガンの方々からのビタミンB12欠乏攻撃を回避する為にもサプリメントで補っています。


ヴィーガンが自分自身やお子さんの為に考慮すべきその他の栄養は

ビタミンD(栄養というよりホルモンですが)、

鉄、カルシウム、亜鉛、ヨウ素、オメガ-3脂肪酸などです。

どうしても完全菜食で健康状態が心配な場合は血液検査をすると、改善点があれば

よく分かるとおもいます。


最後に

ある調査によればヴィーガンの子供の90%が身長、体重において平均的で正常な発育をしている

とのこと。これも朗報ですね。

(Heger、2018)。


ですが、これらはドイツでの情報です。

ドイツは、ビオ、ヴィーガン先進国ですので意識して勉強すれば完全菜食でしっかりと栄養を補える環境なのです。情報量が多いのでヴィーガンであれば当然ビタミンDやB12の摂取を意識します。


日本ではまだドイツと同じようにはいきません。

市場の提供する未加工で健康的な食品の品揃えには大差があります。

よって、現状では菜食の親御さんでお子さんの食事にサラダや納豆、味噌汁に白ご飯で十分だとおもっている方少なくないです。

ドイツのヴィーガンは日本人が精白米のご飯をたべるような頻度でほぼ毎食

全粒穀物(やそれから作られるパンやパスタ)からせっせとビタミン、ミネラル、たんぱく質、脂質を補っています。

対して日本では国がまだヴィーガンの栄養不足に対応できるように追いついていないのですから、

栄養価の高い食材はヴィーガン自身が探して揃えるしかありません。

亜鉛が豊富なかぼちゃの種を買おうと思ったら、

セレンをとるためのブラジルナッツを買おうと思ったら、

鉄分豊富な乾燥バジルを買おうと思ったら、

今はネットで注文するしか方法が無いかもしれません。

ですが、日本でもこれだけ関心が高まってきているのですから、

栄養価値の削ぎ落とされていないお米をはじめ、いろいろな全粒穀物、豆、ナッツ、タネ、スパイスがスーパーに普及する日も近いと思います。

がんばりましょう><

お子さんの栄養面はご両親がしっかり勉強してサポートしてあげてくださいね^^
















 If we look at the mixed food, the supply state of these population groups (adults) with folic acid, vitamin C and magnesium is clearly below that of vegan living groups. During pregnancy, women are often automatically prescribed a folic acid preparation, whereas vegans are much better supplied with the vitamin. Vegans usually also have no problems with food energy and protein (Davey et al., 2003; Waldmann et al., 2005). calcium vegan Translated with www.DeepL.com/Translator



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