完全菜食実践中の日本のお母さま方に。


私がこのブログを始めた約1年前と比べて、

このところ日本でも多くのヴィーガン商品が開発され、ヴィーガンが広まり始めているように見受けられます。

2018年に私が帰国した際は、都心でも食べられる(植物性の)もの、特に新鮮な果物を見つけるのに

苦労しましたが次に訪れる際は大きく変わっていそうで楽しみです。

日本ではメディア、特に未だにテレビの影響は大きく、

ヴィーガンやヴィーガン食の存在が急速に認知されはじめましたね。

環境保護や動物愛護の観点からヴィーガニズムに関心を持った参入者が若い方々を中心に増える中、

おしゃれなヴィーガンカフェやレストランでのヴィーガンメニュー導入が増える中

各国と大きく差を開いて日本だけがおいてけぼりを食らっている事があります。

ヴィーガンとして知っておくべき栄養の認識です。


完全菜食でも、雑食でも、その他のあらゆる食生活の実行において言えることですが

人が、何をどれくらい必要かを知らないでバランスの良い食事は作れませんよね。

中には合成できるものもありますが、大抵は口にする食材を代謝して生きています。


人間が生きるために必要な必須栄養素や推奨される摂取量は既にわかっており、

それらを計画的に補うことを怠れば人は健康を維持できません。


食感や見た目を似せたり味付けを工夫して肉料理を摸した植物性のお料理を作ることも楽しいですが

成長期の子供から肉や魚を取り上げて、代わりにこんにゃくを与え続けるのはダメですよ。

中年のダイエット食じゃないんですから....!

豆腐はタンパク質だから代わりになる!というのもちょっと認識不足です。

豆腐にタンパク質は含まれますが、同量の肉と置き換えて同じ量のタンパク質を補られる

ほどの含有量はありません。

肉、魚、卵、乳製品などのタンパク質源(や脂質源)を食卓から除くなら、

それまで以上に気をつけて全粒穀物、豆類、アブラナ科の野菜、ナッツ類、タネ類

ふんだんに使った食事で

バランスの良いタンパク質源、(や脂質源)をご家族に用意してあげてください。

それから

わたしがそれまで以上に気をつけてと申します理由は

植物性のタンパク質は動物性のタンパク質よりも吸収率が低いからです。

質が悪いといっているのはありません、アミノ酸バランスは

上記のような植物性食品の組み合わせによりいくらでも素晴らしいバランスを作れるので心配不要です。

ただし、構造上植物性のタンパク質の吸収率は低いのです。

ですから多めに見積もって食す必要があります。


体重が40kgで座り仕事程度の運動量のヴィーガンなら

40x0,9=36gのタンパク質を最低限摂れるような食事を与えてあげてください。

☆☆重要☆☆

36gのタンパク質を最低限摂れるような食事とは、

その人が食す植物性食品に含まれるたんぱく質の合計が48g〜55gあることを意味します。

理由は植物性のタンパク質を人は75-85 %程度吸収できるからです。


(動物製食品のタンパク質は人は94-98 %吸収できます。

そちらの方が優れていると言っているのではありません、参考までに記載します)


何キロも歩いて学校に通ったり、元気にスポーツをしている子供たちにとって

タンパク質がどれくらい必要か把握しておられますか?


まずは、

(1)お子さんの年齢や体型、運動量から必要なタンパク質量を把握してください。

(2)75-85 %の吸収率でもそのタンパク質量を補えるだけの食事を用意してあげてください。


エネルギー源になる以外、ほぼ栄養価値のない米粉でふんわりパンケーキ焼いて、

炭水化物ばかり与えている暇ないですよ。

米粉のパンケーキにメープルシロップより、全粒穀物でできたしっかりパンにナッツのペースト、

グラノーラなどの方がずっとバランスのよいタンパク質源です。

(もちろんアレルギーのある場合はダメですけれど)


最近、ヴィーガンなお母さん方が増えて結構なことですが

新しい食材やスパイスを導入せずに、自分の食べ慣れたお手軽な食材だけを使って肉料理をヴィーガナイズしたり、やみくもみ小麦粉を避けて米粉を使っているのをよく拝見するので

子供たちの栄養大丈夫??とやや危機感を感じました。


タンパク質は何と言っても必要量の大きな三大栄養素ですので、

今回はそれだけに触れましたが

細かい事を言えば、肉、魚、卵、乳製品から得られるはずだった栄養は

その他にもたくさんありますので計画的に植物性の食事で補う必要があります。

雑食の食生活から動物性食品を排除しただけの引き算の食卓になっていないか

今一度どうぞお確かめくださいませ。

















病気の予防・食事のご相談🌱

減量、病気の予防、バランスのとれた健康的な食生活、またはこれから菜食を目指す皆さんをドイツで職業訓練を受けた栄養士がサポートします。 特定の食事法を批判したりこちらから強制することはありませんのでご安心ください。 じっくりお話を聞き、ご希望の結果に近づけるようお手伝いさせていただきます。 ベルリンでの栄養と菜食料理に関するワーショップは現在木曜日、土曜日に承っております。