ヴィーガンなうつ消しごはんの基本

こんにちは。

お世話になっているフェイスブックグループのヴィーガンな食卓に

こちらの記事のシェアがありました。

投稿者の方は、その記事を読んで不安に思われたようだったので、

私もせっせとコメントを書いていたところ、

そちらの投稿自体が削除されて無くなってしまいましたので、

お伝えしたかった事を自分のブログに改めました^^


上の記事を読まれた方、

”卵3個と肉200g食べないとうつになる”のではないか、

人間は肉を食べないと幸福物質を得られないと思われたでしょうか?

この記事では、

うつ消しごはんの基本をヴィーガナイズしてみましたよ。


書籍『うつ消しごはん』は、私は拝読していませんが、

お肉に入っているとよく言われる幸福物質とは 

セロトニンの材料となる(タンパク質のうちのアミノ酸の) ”トリプトファン。

そして、その活性を助ける補因子としての鉄。

それらの摂取を推奨する記事と思われます。


ですが、植物性食品のタンパク質からでも

トリプトファンを元にセロトニンを高めて幸福効果を得る事ができるんですよ。

また、特定の食材や組み合わせを取り入れる事でその効果をアップさせることができます。  

まず、植物性の食品としては以下の食材のタンパク質にトリプトファンが多く含まれます。

麦(特にオーツ)

豆類全般

その他の種全般

かぼちゃ(特に種)

じゃがいも

くるみ

カリフラワー

きゅうり

きのこ

緑の葉野菜

トマト

などです。


ですが、

由来が何であれトリプトファン(幸福物質の元)をたっぷり含む食材を食べただけでは 

気分(鬱や睡眠)に劇的な好影響はありません。

取り入れ方を工夫する事で効果を高めることができます。


注意1点目は炭水化物を含むトリプトファンの豊富な食品を食べる事。 

炭水化物(という事は植物)を一緒に摂ることは

より多くのトリプトファンが脳に到達するのを助長します。

 炭水化物を食べると体はインスリンを生産し インスリンは一部のアミノ酸を組織に吸収させますが、トリプトファンにはあまり影響しないのです。

結果、競合するアミノ酸が少なくなりこれらの食物からより多くのトリプトファンが脳に到達します。 

また、記事内に紹介される鉄だけでなく

マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンCもトリプトファンをセロトニンに変換するのを助ける補因子です。


ここまで読んでみてどうですか?

(炭水化物を含むトリプトファン食って植物性タンパク質ならそもそも条件を満たしていますね。

補因子のビタミンCとマグネシウムも植物性食材を基本とする方が得やすいと思いませんか?)


加えて、

現在ではサイトカインがトリプトファンを分解することがわかっています。

サイトカインとは主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質で 私たちが病気になった時、

 また”飽和脂肪酸”や”トランス脂肪酸”などの特定の食物に反応して放出されます。 

サイトカインレベルを下げる方法は

オメガ3や抗酸化物質が豊富な食品を食べる事。

飽和脂肪の摂取を減らす事。

食物繊維をよく摂る事などです。

つまり

whole foodプラントベースのヴィーガンがうつを防ぐには基本的な条件は揃っています。

気にしなくても、以上の全てを自然に行なっているハッピーで健康的な

菜食者は多いですよね。

ヴィーガンのオメガ3源は亜麻仁、くるみ、ヘンプシード、チアシードやそれらのオイル等を

欠かさず摂る事でしたね。 


一方、トリプトファンと鉄分の多いお肉をたっぷりたべるのはどうですか?

せっかく食べたトリプトファンを分解してしまう飽和脂肪酸がセットで付いてくるので、

トリプトファンを材料にセロトニン高めてうつを消す好条件は揃いませんね。

お肉や卵には食物繊維もビタミンCもゼロですね...

リンク先記事内にある卵の栄養”コリン”については、植物性食品より

動物性食品から得易いのは確かですが、


今回のテーマである

うつを消そう!

セロトニンを作ろう


その材料となる

トリプトファンを含むタンパク質を食べよう!

という一連の鬱消し対策とはまた別件ですので、別の記事に改めたいと思います。


まとめ: 肉を食べなくても幸せ物質(セロトニン)は作れます。

ヴィーガンがトリプトファンの豊富な食品を最大限に活用するには… 

炭水化物とトリプトファンの豊富な食品を組み合わせて食べる事。

補因子である(鉄、マグネシウム、ビタミンC、ビタミンB6)も摂る事 。

トリプトファンを分解するサイトカインレベルを下げる事。

参考


最後に

ヴィーガンが鬱になる原因として最も身近な話にビタミンB12の不足があります。

ビタミンB12に関しては既にたくさん記事を書いておりますが、

現代社会において大抵の衛生的な国で生活するヴィーガンにとっては

サプリメントを摂ることが必須です。

計画的なヴィーガン食はすべてのライフステージの人に適応可能であると

そう発表済みの国々のガイドラインには、

B12をサプリで補うことが条件として含まれています。

雑食の皆さんの口にするお肉の為の

中継ぎとなる家畜たちも今やB12をサプリメントで補っています。

(B12は肉由来ではなく細菌由来ですが、彼らの餌もまた豊かな自然の中で育っておらず、

大抵農薬まみれの遺伝子組み換え穀物なので、B12が添加されています)


どうしてもサプリメントは避けたいという方は、

B12を添加された一部の食品から得ることができますが、

それだと成分のパーセンテージにもよりますが、

1日4回とか、かなりの頻度でに大量にその食品を食べる事が強いられるので

非常に難しいです。

ノリやスピルリナにB12が含まれていると未だに言う方もおられますが、

それらは人体での活性が疑わしいことと、”量的”にも信頼できる栄養源では無いとされ、

栄養のガイドラインでは推奨されていません。

ノリやスピルリナに含まれる擬似ビタミンB12(ビタミンB12アナログ)は有益でないばかりか

危険ですらあります。

擬似ビタミンB12は科学的な構造がB12に似ているだけの、働きの異なる物質です。

同じレセプターにはまってブロックする為、本当に必要なB12を獲得しそこないます。


2019年現在、

最も安く、確実に必要最低限の量を補えるのは高容量のサプリメントだけですので

週1か2回は摂取するのをお忘れなく。

B12は口に入れれば単純に腸から吸収されるようなものではないので、

(複雑な吸収のプロセスをざっと知りたい場合はこちらをご参照くださ

唾液も吸収のプロセスに加担するのでメチルコバラミンの

舐めて摂取するタイプのサプリメントが吸収されやすくておすすめです。

ドイツやアメリカ、おそらくカナダのヴィーガンたちの間では、

B12のサプリはヴィーガンには必須と定着しているので、

サプリを摂るか摂らないかでSNSのコメント欄で議論になる事はもうほぼありません。

どのサプリがお勧めかの議論は時々ありますが。

(そういうところに、インターネットで共有される国際語情報にアクセスしない日本人との知識の開きがあります。)

日本ではビタミンB12の水溶液をかいわれに吸収させた「マルチビタミンB12かいわれ」が開発され

ましたが、ここに含まれる濃度はわずか6.8µgだそうです。

成人1日あたり、平均3µg必要なB12ですが、

吸収の工程があまりにも複雑であるために

たったの3µgを得るためにはサプリメントでも1錠1000µgとらなければ得られないのですから、

カイワレの6.8µgがどれほど少ないか想像がつきますでしょうか。

B12は、サプリで補っても余れば肝臓に最大5年分貯蔵され不必要な分は排出されます。

肝臓にしばらく残るのはコバラミンというミネラルの影響です。

鉄やビタミンAのサプリのように排出されないままどんどん蓄積して

体に悪影響を及ぼすものではありません。

B12サプリメントは毒ではありませんので欠乏に陥る前に

摂らないデメリットよりも摂るメリットの方が大きいです。

これはプラントベースのドクターや栄養士等なら

誰の話を聞いても満場一致の意見で欧米でもすっかり浸透していますので

よろしくお願いしますね。

(以下全員世界的に有名なプラントベースドクターですが

知らない人いますか?あのマックドゥーグル先生まで、みんなB12サプリ摂っていますね)







  







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