豆を征する者は菜食を征する

ヴィーガン(完全菜食)の食生活の中で

十分なたんぱく質(アミノ酸バランス)を得るため

避けては生きられないもの、

それが”お豆”です。

私はヴィーガンになる前も何年も菜食はしていましたが、

栄養を詳しく追求し始めるまで豆を意識的に食べてはいませんでした。

ですのでまだまだ完璧なコンディションでは多種多様な豆を消化できません。(特有の膨満感?)

ですが、それでも相当改善されましたので、

豆と仲良くなるためのいくつかの方法をご紹介します。


その1  豆になれるには量より頻度!

豆をたくさん食べると、お腹にガスが溜まったりとにかくゴロゴロして

スッキリしませんよね。ですが、その豆を食べ続けることによって

その豆を消化するのを手伝う菌が徐々に増えます。

ですので、週に1回がっつり豆を食べるよりも1日スプーン1杯の豆を

毎日食べるとより早く腸内環境が最適化します。

食物繊維をとりたいだけならいいですが消化不良でお腹を壊すと

せっかくの栄養が吸収されないのでもったいないですね。


(ここは体験談になります)

それで、豆活に励む日々の中で自然と気がついたのですが

いくら食べても消化に問題のない豆も結構あるのです。

私にとってそれは、大豆、小豆、グリーンピース。

これらはやはり日本食にも多いことから、

人生を通しての消化経験値が高くなっているのだと思います。

一方、海外に住み始めてから日常的に食べるようになった

キドニービーンズやひよこ豆、多種多様なインゲン豆などは

私の身体的に経験値が浅く最初は消化困難でした。

現在は食べ慣れて攻略してきたようです。

初めて食べる(滅多に食べない種類の)豆ほどガスが溜まる。

だから少量で頻繁に食べて練習する。

これを意識するだけでも、日常的に取り入れやすいと思います。


その2 豆の状態を変える


お腹がゴロゴロするような食べ慣れない豆は

水煮の缶詰で購入してあるものなら、

潰したりミキサーやブレンダーにかけて

フムス(ペースト状)にしてしまうと、胃腸への負担がかなり軽減されます。

フムスは、ゴマのペーストやガーリック、ハーブと混ぜ合わるような

一般的な味付から、他の野菜と混ぜていろいろな色のフムスにすることもできるので

普段の食事からパーティー用までアレンジできます。

ビーツとひよこ豆のフムス。ピンクで綺麗ですよ。

豆に多く含まれるアミノ酸と穀物に多く含まれるアミノ酸は違うので

豆を食べる時はパンやパスタ、お米(全粒、未加工のもの)と合わせて、

ついでにゴマやフラックスシードなどの種類(含まれるアミノ酸が穀物や豆と異なる)

もふりかけて食べるとかなりバランスの良いタンパク質となります。


豆の状態を変えるというのは、形だけにとどまらず

性質を変えるという方法もあります。

例えば納豆やテンペなど発酵した豆は消化が良いですよね。

発酵食品はタンパク質がほとんど分解してあるので、

お腹でゴロゴロすることはほぼないのではないでしょうか。

(むしろ、好き嫌いのある方は味の方が問題ですが)


その3 いわゆる”豆”から挑戦しない

ヴィーガンが食べるべき豆類はいわゆる丸いお豆さんだけではありません。

このようなヒラ豆(レンズ豆)

スープやカレー、煮込み料理やインド、フランス、イタリア料理にもよく使用される

ものですが、お米と同じく20分くらいで調理でき、消化も随分簡単、

それでいていわゆる豆と同じような栄養が含まれます。

ですので、食材が身近にある場合レンズ豆から取り入れるようにするといいかもしれません。


その4 豆を水につけておく

調理する前の豆を水につけるという方法でガスが出にくくなるという報告が多数あります。

豆が柔らかくなりますし、そのぶん消化が楽だとは思うのです。

ですが、

豆を水につけることには専門家の意見にも賛否両論ありますので

その記事は別に改めたいと思います^^



いろいろなフムス(豆のペースト)のアイデア。

Tastyはヴィーガン向けのチャンネルではありませんがインスピレーションにどうぞ。


穀物と豆とタネを組み合わせるって??

参考文献 全文はリンクへアミノ酸の桶の話

 必須アミノ酸は全種類をバランスよく摂取しないと有効利用されない。これについては「アミノ酸の桶」という例をあげて説明されることが多い。つまり9種類のうち、一番含有量の少ないアミノ酸を一番背の低い桶板に例えて、いくら満杯にしようとしてもそこから水が流れてしまう=アミノ酸の含有バランスが悪い、という事になる。必須アミノ酸をバランスよく含む食物ほどスコアが高いと表現される。食品単体ではなく、食事という視点からでは1日のうちの食品中のアミノ酸を合計したものでバランスがとれればよい。そのため、単体ではバランスの悪い穀物と豆も、その組み合わせでバランスがよくなる。なぜなら、穀物はトリプトファン、メチオニンが多く、豆はイソロイシン、リジンが多いため互いに補いあうことができるからである。 

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