滞在先でいただく食事の問題と解決案


非ヴィーガンの方のお宅に何日も滞在するということは

ヴィーガン(完全菜食者)にとってある意味試練です。

滞在期間を昨日無事終えましたので

その時思ったことなどを書きたいと思います。



私は結婚式に参列するため、ドイツの山奥のお宅にお邪魔していました。

日本の田舎と同様、買い物に出るにも店は何キロも先にありますので

ヴィーガンとしては事前の対策が必要となります。

非ヴィーガンの方のお宅に招かれると、

双方が、今日の食事はどうしたらいいのかという問題に遭遇しあたふたします。

それが1晩限りのホームパーティーならまだ、

他の人も興味を示しそうなヴィーガン料理を作って持参するなどの対処法があるのですが

何日も、または遠くのお宅に滞在することになるとそうも行きませんね。


ヴィーガン人口が日本より多いここドイツでは

”びいがん?、、、何それ?”

と、言われるほどではありませんが

世間のでは、ヴィーガン(完全菜食)=サラダばかり食べる人たち

という印象がぬぐいきれていません。


そこでよく他の皆さんのメインの食事とは別に、

OLのパスタランチについて来るサラダのようなサラダ?を用意してもらう事となります。

が、これが何回も続くと完全に栄養不足となり体に差し障ります^^:


では、上の写真のようなよくあるサラダを繰り返し食べる事の

どこが問題なのでしょうか?

私が個人的に問題視する項目順にご説明したいと思います



問題1

たんぱく質がほぼ無い。

1日数ngからmg単位で必要なビタミンやミネラルと異なり、たんぱく質は数十gも必要な

重要な栄養素です。

動物性食品ほどではありませんが、どんな植物にも微妙にたんぱく質は含まれます。

が、例えばこの写真の

レタスベースのグリーンサラダから得られるたんぱく質は2gもないでしょう。

(私の体格ならタンパク質は1日36gは必要ですので非常に困ります。)


解決法1

サラダの中味をリクエストできるなら市販の水煮や枝豆、缶詰の豆でいいので

豆や豆腐を入れてもらいましょう。

マイ七味が流行った時のように、自分用のナッツや種類(ゴマやペンプシード、フラックスシード)などを持参するのもいいですね。

失礼のない程度にサラダにふりかけて食べたり、混ぜやすい料理に加えて栄養を調整します。

失礼がありそうなら、後でスナックとして別で食べましょう。

豆乳を持参して食後のコーヒーを豆乳コーヒーにするのも自然に振る舞えます。

豆乳1杯の方がこのサラダ1皿よりもたんぱく質が多いです。


問題2

体に良い脂質がほぼゼロ。

たんぱく質も足りませんが、上のようなサラダにはドレッシングをかけない限り

脂質が含まれません。

かといって、市販の添加物てんこ盛りのドレッシングを避けたいのもまた

ヴィーガンあるあるですよね^^:

脂質は人の必要とする1日のカロリーの1割を占めるほど重要な栄養素です。

1日2000kcal必要な人であれば200kcal分くらいは脂質が必要です。

脂質の摂取を怠るとお肌はカッサカサ、頬はこけて不健康に見えます、意図せぬ減量に要注意。

(動物性食品の場合、調理法がノンオイルでも物体自体に脂質が含まれています)

ヴィーガンの食事は意識しなければ完全なるノンオイルになってしまいます。

私は油分不足解消の為、コーヒーにはココナッツオイルを入れて飲んだり

スムージーや豆乳にもオイルを入れて飲みます。


解決法2

脂肪分の多いクルミやカシューナッツ、カカオバターを含むビターチョコレートをつまむなど

おやつやおつまみで栄養調整可能です。

オリーブそのものや良質な未開封のオイルをお土産として持参して食事の席で一緒に出す、

先方の朝食がパン食ならピーナッツバターを持参するなど工夫して脂肪分を補いましょう。


問題3

体が冷える。

毎回サラダを用意いただく心づかいはありがたいのですが、なんせ体が冷えます。


解決法3

リクエスト可能なら、用意されていたサラダの材料をサラダではなくスープ(や植物性の味噌汁)、野菜炒めにしていただくと良いでしょう。

サラダとして食べるしかない場合は一緒に生姜湯、白湯、紅茶、など暖かい飲み物をいただいたり、体を温める香辛料をふりかけて食べるという手もあります。

この時での注意点

砂糖を含む飲み物やコーヒーは結局体を冷やすので一緒に摂らない方が良いでしょう。

紅茶は体を温めますがタンニンを含む飲みものは緑の葉野菜から得られるヴィーガンにとって貴重な鉄分の吸収を妨げます。食後30分は飲まない方が良いでしょう。


問題4

食物繊維が多くてガスが溜まる。


解決法4

用意されたサラダの中のキャベツ(やアブラナ科の植物)の切り方が大雑把だったりすると

おならが出るようになって困ります。

食事の席でできることといえばよく噛んで食べる事ですね

(ドイツではドラッグストアに野菜や豆類の消化を助ける酵素の錠剤も売ってありますが)

料理前にリクエスト可能なら、野菜を細かく切ってもらうことでだいぶマシになります。


問題5

カロリーが少なすぎる。

たんぱく質も脂質も少ない植物はかなり低カロリーです。

写真のようなサラダを3回食べたくらいでは1日に必要なカロリーは

到底補えないでしょう。


解決法5

適当に用意された野菜だけのサラダで例えば500キロカロリーを撮るのは至難の技です。

サラダの内容をリクエストできるならアボカドや豆、などを持参して

カロリーの高いサラダにするか、難しそうなら

一緒に食べる穀物としていろんな種のまぶしてある全粒粉のパンを用意するなど

栄養バランスを調整しましょう。

または、このようなナッツミックスを持参してちょこちょこ食べましょう。





ヴィーガンにとって栄養の足りないサラダ例



白いパン。


ヴィーガンの栄養を

十分補えるようなサラダ例


豆や良質な脂質を十分含む例

ほうれん草も鉄分だけでなく、野菜の中ではたんぱく質が多いです。

色とりどりの野菜プラス、豆や(鉄分、たんぱく質)やアボカド(脂質)を入れる。

脂質ゲットの為、オリーブや豆、豆乳ヨーグルト(ドレッシング)などと一緒に食べる

キヌアやかぼちゃの種(亜鉛源)をたっぷり入れのも◎

パスタ入りにするなら、白い小麦粉のパスタではなくそば(高たんぱく質)を混ぜる。

このようなごまごました全粒穀物と一緒に食べる。

などなど、できる範囲で補える部分を補い、

栄養バランスの良いヴィーガンサラダを目指しましょう^^:



まとめ、健康的に続けられるヴィーガンサラダのキーワードは

たんぱく質、脂質、バランスの良い穀物と十分なカロリーです。

(その他のものは注意しなくてもだいたい取れます)

先方にあれこれ指示するのは失礼ですのでその土地で手に入りやすい素材を

用意したりリクエストしたりしましょう。















病気の予防・食事のご相談🌱

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