宣伝通りの健康的な砂糖か、よく考える。

パームシュガー、ココナッツシュガー、ココナッツブルテンシュガーなどとして

今なお人気上昇中のココナッツの花から作られるお砂糖があります。

(以下ココナッツシュガーで統一します)

ココナッツシュガーはココナッツオイルに続いて、誇張宣伝された為かあっという間に

白砂糖に替わる健康的な自然の甘味料として普及しました。

宣伝文句はやっぱり

”従来の砂糖と比較して、血糖値を上げにくいという事”

”インシュリンの分泌も抑えられる砂糖”

などです。

このように評価される理由は

ココナッツシュガーの栄養成分に加え、比較的低い血糖指数(GI)に起因しています。


白砂糖が血糖値を60に上昇させる一方で、ココナッツシュガーはその数値の約半分

正確にはGI値39であり定義上55未満のGI値をもつものが低GIと示されているのです。

ですが、

ココナッツシュガーがそこまで血糖値を上げにくいと断言できるかどうかは

実はまだ有意義な科学的研究の報告がありません。

(被験者の数が異常に少ない事が問題視されています。)


そしてこれが、

ココナッツシュガーの栄養のうちわけです。



ココナッツシュガーにミネラルやビタミンが含有されるのは確かですが

上の表をよくご覧になってみてください。

仮にココナッツシュガーをたっぷり100g食しても

ビタミンCは21mg、鉄分はわずか1mgにも満たない414ng(ナノグラム)しか

摂取できません。(鉄分の吸収率は考慮せず)

※1μg=0.001mg


つまり

ココナッツシュガーのビタミンCは調味料の乾燥パセリの39分の1、

ココナッツシュガーの鉄分は調味料の乾燥バジルの120分の1以下、

という程度です。


どうですか?

ココナッツシュガーは声高らかに健康効果を主張できるほど価値ある甘味料でしょうか。

そう言い切るのは早い気がします。


この問題は私にとっては

”魚の油にはDHAが含まれるから健康的!”

というアピールにも似ています。

正確には魚の油には健康に有効な成分も含まれる

(が全体のバランスを見ればさほど健康的でもない...)のであって、

”ココナッツシュガーには期待するほどの健康効果は無いが白砂糖よりマシな一面がある!”

くらいに称えられるべきではないでしょうか。

でもまさかそんな言われ様では売れないので、

指摘する誰かが現れるとしたらそれはココナッツシュガーにとって替わる

次世代のスーパーシュガーを宣伝したい人くらいでしょう。


ちなみにわたし、

ココナッツシュガーアンチではありません!

わたしの家にもココナッツシュガーが置いてあります!

大量に消費することはありませんが、

白ワインにココナッツシュガーを混ぜてみりんの代用にも使います。

料理にはその他にアガベシロップも使います。

メイプルシロップはミネラル豊富で結構ですが独特の甘い香りがあり

おかずにメイプル感が出てしまうのでわたしは料理には使用しません^^


ココナッツシュガーであれ何であれわたしが天然甘味料を利用するのは、

白砂糖と比較すれば多少なりとも栄養価値があると思ってのことです。

ココナッツシュガーを食べて元気になろうとか、若返ろうとか、痩せようとか思って

利用しているわけではありません^^:


つけ加えますが、

茶色く素朴な佇まいのココナッツシュガーは普通の砂糖よりカロリーが少ないような

雰囲気を醸し出していますがカロリーの面では

白砂糖100gあたり約400kcalである一方、

ココナッツシュガーは約380kcalであり大差ありません。

というか、カロリー高いです。


結論としては、ココナッツシュガーには栄養があるか無いかで言えば有るが、

栄養のうちミネラルやビタミンが豊富とは言えないがエネルギーは豊富である。

その程度の栄養であれば調味料のハーブから補う方が早い。

私はそう思います。

人の健康維持に必要な量のミネラルやビタミンをココナッツシュガーで補おうと思えば

1日何キロ食べればいいの!

という話になってしまいますよね。


先日SNSで見たカフェの看板で、

”ケーキにはビタミンがほとんど無い、、、だからいっぱい食べようp(*^-^*)q!”

という面白い宣伝を見て微笑んでしまいましたが^^

それを冗談抜きでやってしまったのがココナッツシュガーではないでしょうか。








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