ヴィーガンとして骨粗鬆症を防ぐには。
こんにちは^^
ヴィーガン栄養士の講座の中で、ドイツで学んだ事をシェアしています。
今日は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)について。
どんな事が原因になり得るか、そしてヴィーガンとして予防する方法をご紹介したいと思います。
骨粗鬆症
※後天的に発生した骨密度の低下または骨質の劣化により骨強度が低下し、骨折しやすくなる疾患あるいはその状態
皆さん、
肌が一定の周期で剥がれ落ち新しい肌と入れ替わっているのはよくご存知ですよね。
しかし私たちの骨もまた破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による新たな骨形成が常に行われており、古い骨は壊されつつも新しい骨が作られることで一定の状態を保っています。
そんな中、ホルモンの変化によって骨吸収が加速されるほか、
食生活でも骨を溶かす原因を与えたり、骨を形成する材料を与えるのを怠れば
骨形成が追いつかなくなり、段階を追って骨密度が下がり、ひどい場合は骨粗鬆症という
骨の中がスカスカの状態になってきます。
ヴィーガンであるかないかに関わらず、
まず以下のようなことが骨粗鬆症の原因となります。
・運動不足
=筋肉組織の強化は、骨の構造と身体の安定性に不可欠な刺激になると考えられています。
・エストロゲン不足
=これはエストロゲンの生産に関わる為、閉経期の女性においてよくある原因です。
エストロゲンの生産は皮下脂肪でも行われるのでかなりやせ気味の方は若い方でも要注意。
エストロゲンは女性ホルモンですが、男性はそもそも骨密度が女性より高い為、
骨粗鬆症になるまでのリミットが長いのです。
・アルコール、ニコチン、カフェインの摂取
=どのようなトピックでも言える事ですが、骨の健康にも悪影響を及ぼします。
•ビタミンDの欠乏
=これは私たちヴィーガンが特に注意すべき栄養不足です。
植物性食品からの十分なビタミンD摂取は難しいですが、
十分な日光を浴びる事でビタミンDを合成することができます。
天然のキクラゲには多くのビタミンDが含まれますが、
工場生産のキノコでは到底、必要な摂取量に及ばないので多くのヴィーガンは
ビタミンDのサプリメント(地衣類からつくられる)を利用します。
また、腎機能が弱っている場合もビタミンDの合成に影響します。
尚、体内で合成できるビタミンDはホルモンに近い為、以下の栄養(食)のヒントとは分けます。
•栄養
(1)動物由来のタンパク質の高摂取
=一部の食品は代謝の関係で体内のpH環境を酸性に傾ける為、
体は恒常性に基づいて血液を通常のpH値に戻すよう、
骨に蓄えているミネラル(カルシウム=アルカリ性に傾ける作用がある)を溶かして利用します。
※つまりカルシウムたっぷりでも牛乳やチーズを摂取すればするほど、血液が酸性に傾き、
体は帳尻を合わすために今すぐ使える骨のカルシウムを使ってPHを保とうとします。
つまり骨粗鬆症予防の為にたくさんカルシウムを含む乳製品を取るとう行為は、
火に油を注ぐような対処。
カルシウムたっぷりの乳製品の大量消費国であればあるほど
骨粗鬆症は深刻な問題になっていることに注目です。
お年寄りやお子さんの骨の健康のために牛乳を飲ませるのは私は大反対です。
(2)カルシウムの供給不足(特に<500 mg /日の場合)
=ヴィーガン食では全粒穀物、タネ(特にゴマ)やナッツ、豆、豆乳など、
そして濃い緑の葉野菜から多くのカルシウムを得ることができます。
1日あたり500mgという数字は理想的な摂取量よりも低いですが、
これを絶対に下回らないよう、植物性食品からカルシウムを得ることで
骨粗鬆症のリスクを大幅に回避できます。
(3)食卓塩(精製された塩)の多量摂取
=ナトリウムの代謝に関係します。
とりわけ、塩はまず質にこだわる必要があります。
食卓塩の利用は辞めて、岩塩や海塩(結晶状)のものをミルで引いて使うことをお勧めします。
食卓塩はたった2つのミネラルで構成されますが、
結晶状の天然塩は80以上ものミネラルで構成されており人体に与える影響は測りしれません。
(4)リン酸塩の多量摂取
例えば、コーラ飲料やプロセスチーズの添加物として使用されています。
コーラは骨を溶かすと子供の頃、聞いたことがありませんか。
体を酸性に傾けるものを摂取する=上記同様PHバランスを保つために体はミネラルの貯蔵庫である骨を犠牲にして対処します。
(5)不十分な果物と野菜の摂取
=微量栄養素によって支えられるバランスの取れたpH環境を維持できることに加え
健康な骨代謝を促進する要因を与えます。
ホルモンであるビタミンDはカルシウムを(食物)腸から血流に入れる役割がありますが
一方、野菜のビタミンK(特に納豆のビタミンK2がおすすめ)は
血液の中のカルシウムを細胞の中に取り込む働きがありどちらも骨の健康維持に重要です。
最後に、これはアジア人には変える事のできないコンディションではありますが
”アジア系の遺伝子”は、
骨粗鬆症になりやすいリスクを先天的にも持っています。
加えて低体重(例えばBMI24以下の場合など)も骨粗鬆症発症のリスクを高めます。
つまり、アジア人で痩せているとそれだけで骨粗鬆症発症のリスクを2つ持っていることになります。
骨は普段体重を支えることで圧力をかけたトレーニングを強いられています。
体重が少ないことはこの圧力が少なく、骨の健康には良い影響を与えません。
がんばってもなかなか平均体重まで太れないという方もいらっしゃるとおもいますが、
その場合は運動(特に加圧のトレーニング)を取り込むことで骨への影響は改善できます。
さて、
カルシウム不足によって引き起こされるイメージの先行する骨粗鬆症ですが
意外にもカルシウム不足は原因の一因にすぎませんね。
食事、生活習慣改善のヒントになりましたら幸いです^^
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