簡単な調理工程で失われる果物や野菜の栄養
前回のブログでは
ある程度栄養や酵素が多少壊れることをさほど気にせず毎日スムージーを作って飲む
という私個人の食習慣に触れましたので、
今日はその”多少”が具体的に何を意味しているか
撹拌や火を通す、水にさらすなどの調理工程によって
どんな栄養が失われれるかについて書きたいと思います。
ビタミンやミネラルにはそれぞれの”感度”のようなものがあり、
果物や野菜に含まれる栄養素の多くは、熱に不安定で、水溶性であり、酸化を受けやすいです。
(熱、光、PH、水や空気に触れることで多くの栄養が失われ、その程度には違いがあります)
そのうち、熱に不安定で、水に流れやすく、酸素に触れることでいずれの場合も壊れやすい
ビタミンC、チアミン(ビタミンB1)、葉酸は調理工程に特に注意が必要です。
それらが加熱されたり、スムージーにするなどの調理中の衝撃で細胞壁が壊れて酸素と接触するとそれらの栄養は分解されてしまいます。
朝多めにスムージーやジュースを作って午後の分まで用意するような
リア充動画をよく見かけますが、スムージーを毎日健康の為に飲む人の経験からすると
後で飲むなんてちょっと考えられません....
私のケールxオレンジジュースのスムージーなどは数分放置したらすぐに酸化して
黄緑色から茶褐色になってしまい、いかにも栄養を失ってしまった感が露わになります。
フレッシュな野菜や果物をスムージーやジュースにした後は、
それ以上の酸化でビタミンを損なわないようすぐに飲むのが良いでしょう。
冷凍のベリーや果物をスムージーに入れる場合はそのままブレンダーに投入してください。
解凍しようとして一瞬でもシンクで水にくぐらせると30%もビタミンが流れ出してしまいます。
生野菜や果物をサラダに入れる場合も、
水溶性ビタミンを失わないよう”洗ってから切る”ことで””切ってから洗う”よりも多くの栄養を維持できます。
切った後水に漬けるって、うっかりやってしまいがちですよね。
パプリカなど生で美味しくビタミンCの多い野菜の場合は注意が必要です。
またファイトケミカルは果物や野菜の外皮に集中しているので、皮は食べる方がお得です。
皮ごと食べたい食品は有機無農薬を選び、中身を食べたい食品は従来品を選ぶなどすればコストを抑えることができますね。
私がオレンジジュースは従来品、ベリーは有機無農薬の冷凍を常備するのには
そんな意味があります。
もっと細かくどのビタミンが何によってどれくらい失われるかを一覧で確認したい方は
私の受けているドイツの栄養の講座の教科書にある表を掲載しますのでご覧ください↓
縦の項目には代表的な13のビタミン名、
横の項目は光、酸素、熱、PHの影響、右の数字はそれらによる栄養の最大損失率%です。
S-酸性、A-アルカリ性、N-中性、Xは影響を受けるという意味です。
ビタミンCや葉酸は下手したら加工で0%になってしまうのがご覧いただけますね。
一方、ミネラルの方は水洗いで失われたり調理中の煮汁などで失われることはあっても
熱による影響はないと考えられています^^
煮汁へ流れ出たミネラルも、その水分をソースやスープにするなど再利用することで摂取が可能です。
ミネラルを含む植物製食品の扱いの場合も同じく
細胞壁を壊さないよう、洗ってから切ることで調理中の損失を抑えることができます
面白いことにミネラルも食品の中に均一に存在しているわけではないので
食品の一部を切り落としてしまわない事にも価値があります。
例えば捨ててしまいがちなキノコの茎にはカリウムが豊富に含まれています。
最後に
この記事では熱、水や酸素への露出で失われがちな栄養(特に水溶性ビタミンと葉酸)について
書きましたが、
植物を未加工で食す事=いかなる場合にも最適という意味ではありません。
ピューレ状にした方が消化に良い食物繊維や、火を通した方が吸収率が上がるものも、
切ってからしばらく放置して加熱調理した方が健康効果が高まるものも中にはあります。
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