なぜ植物性の食事で高血圧が改善するのか
ヴィーガン、プラントベースの世界では知らない人はいないであろう
Dr.パメラ・ポッパー著書Food over medicine
全体に対話形式で書かれていて面白い本です。
日本の医療関係や栄養関係の方にもぜひ読んでもらいたい1冊です。
この本に高血圧と塩に関してとても面白いインタビュー内容が書いてあります。
質問者:何百万人もの人々が塩分制限をしているのは、主に高血圧が理由ではないでしょうか?
Dr.ポッパー:体重を減らし、塩分を制限せずに植物性の食事をしていれば、あからさまな塩分の制限をしなくても、血圧は自然に下がります。
高血圧のメカニズムを見てみると、その多くは血管の内皮組織の損傷に関係しています。
内皮細胞が血管拡張作用のある一酸化窒素を生成できないと血管は少しずつ閉じていきます。そこに動脈硬化が加わると、血管の内腔はさらに狭くなります。
そうして狭くなった動脈に、より多くの血液を送り込もうとする事が高血圧の原因となります。
しかし、低脂肪で植物性の食事をしていると、プラークの形成が止まり、血管の内腔が狭くなることがなくなります。
内皮組織への攻撃がやみ、内皮組織が再生し始め、一酸化窒素を生成して血管を広げるのです。驚くべきことに、一定の期間を経て多くの人が血圧を正常に戻すことができます。さらに運動をして体重を少し減らせば、ほとんどの人が塩分制限なしで血圧を下げることができます。
ただしここで注意が必要なのは
これはそれまでの会話でもすすめられるように90%以上植物性の食事をする場合を想定している会話の切り抜きです。
体重を減らすといっても肥満の場合の話であって、すでに痩せ型の人にさらに体重を減らすよう促すものではありません。
そして、食生活では
動物性タンパク質をいつも通りメインにして野菜を少しくらい増やしたり、
または牛肉を魚や鶏肉など自分が健康だと信じている他の動物性食品に置き換えたり、
そのような中途半端な自己流の改善をしても、それくらいでは
この本に書かれているような動脈硬化改善、内皮組織の回復からの
高血圧改善は難しいと思います。
さらに、いくら塩分はヴィーガンの血圧に悪影響を及ぼさないといっても
中には食塩感受性の高い人
https://ja.wikipedia.org/wiki/食塩感受性高血圧
も存在し、それらの人々は塩分によって血圧が上がることがわかっていますので、
好きなだけ塩を食べてもいいよという訳ではありません。
中にはナトリウムをとりすぎることで自動的に再吸収が阻害されてしまう
カルシウムなどほかのミネラル摂取への影響もあります。
しかし、、
植物性かつ低脂肪の食生活を実践している人は、
動物性かつ高脂肪の食生活をしている人ほど塩分を気にする必要はありません。
同書でも説明されるように、塩を振りかけることで例えば野菜や穀物を(動物性食品の代わりに)を無理なく食べられるなら、どうぞ塩をかけてそれらの健康的な植物性食品をよく摂ってくださいね。
新鮮な植物性の食品にはカリウムが多く含まれるため、不要な物は排出されやすくなります。
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