忘れていませんか?免疫管理の基本ビタミンD

こんにちは、

ドイツはもう冬本番で、16時くらいには夜みたいに暗くなってきましたね。

さて、ワクチンが話題になる一方ですっかりその影が薄くなってきている

ビタミンD!

冬になると毎年スポットライトを浴びるのに、今年はおいてけぼりのビタミンDくん、

免疫システム管理の基本を思い出しましょう♪


<ビタミンDと免疫の関係とは?>

まずは骨代謝に重要な役割をもっていることは皆さんご存じの通りかとおもいますが、

他にもたくさんの作用があり、中でも私たちの免疫にも非常に強く関係しています。

体内の多くの臓器・組織(肝細胞、膵島細胞、生殖器の細胞、血液細胞など)には

ビタミンD受容体が存在ていて、ビタミンDは受容体に結合した後その効果を発揮し、タンパク質の合成を誘導するなどの働きをします。

ビタミンDはそのような点で免疫系に関与しており、これは”免疫細胞の形成”と”放出を促進”する効果があるためと考えられています。

言い換えれば免疫の為に亜鉛やタンパク質などその他の栄養を日頃しっかりとっていてもビタミンDが足りていなければ効果的に使われないでしょう。

<ビタミンDはどこから得られる?>

一定条件の元、太陽光線の影響を受けて体内で皮膚に生成することができます。

ビタミンDは生産量が足りなくなった瞬間に、必須微量栄養素となります。

ドイツでは様々な食品特に植物性ヨーグルトなどにビタミンDが添加されているものが出てきたり、ビタミンDを含むキノコも存在しますが、食品からの摂取だけではほとんど不可能で、冬場の供給量は足りなくなる可能性が非常に高いです。

<ビタミンDの合成を左右する要因>

以下の要因に応じて、ビタミンDを十分に摂取するために食事やサプリメントを十分意識する必要があります。

- 露出した皮膚の面積

- 肌の色(色素)と厚さ

-居住地の緯度

- 季節

- 屋外、日向で過ごす時間の長さ

-日焼け止めの使用(SPF15の日焼け止めは、ビタミンD合成を最大100%不可能にする)。

-年齢や肥満度

- 大気汚染のレベル

-皮膚疾患や火傷

-加齢に伴う腎臓の機能低下

-洋服や化粧によるカバー


特に北ヨーロッパなどの冬場は紫外線量が不足し、体内での合成が制限されます。

ある機関の報告によると、ドイツでは男性の82%、女性の91%が推奨値に達していないようです(MRI, 2008)。

特に高齢者は加齢に伴い皮膚の合成能力が低下し、紫外線の照射が不十分になることが多いため、影響を受けやすいです。また、肥満の場合も合成能力が低下します。

<ビタミンDのサプリはなぜ複数ある?>

ビタミンDという言葉は、カルシフェロールという活性物質のグループを表しています。

ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)は植物由来で、一部の植物や食用菌、カビ菌、酵母菌などで紫外線照射により生成されます。

一方ビタミンD3(コレカルシフェロール)は動物由来の成分で日光(UV-B線)を浴びることで皮膚でも生成されます。

従来のビタミンD3製剤は、合成品や羊のラノリンを原料とするものが多くみられましたが、現在は地衣類由来のビタミンD3も普及しています。

その他に骨代謝に効果の高い組み合わせとしてビタミンD3とK2が組み合わせられているサプリもよくみれれます。

<ビタミンD2とD3はどちらが効果的?>

D3製剤がD2製剤よりも優れているかどうかは、まだ決定的には明らかになっていません。

しかしその方向性を示すデータもあります。現在は地衣類由来のD3を配合した植物性の製剤も数多くあり、ヴィーガンの場合もビタミンD3を選ぶことができます。

<体内で過剰に合成されることはある?>

人体では紫外線の影響を受けた皮膚で、肝臓で合成された前駆体である7-デヒドロコレステロールからビタミンD3(コレカルシフェロール)が生成されます。

このステップはコントロールされるので日光を浴びすぎてもビタミンD過剰合成にはなりません。

<夏によく日に当たっていればサプリは必要ない?>

ビタミンDは脂肪や筋肉組織に蓄積され、肝臓にはあまり貯蔵されません。

行動によっては約2〜4ヶ月間の供給は確保でき、冬場の供給にも貢献できます。

しかしビタミンDの活性型であるカルシトリオールの内因性合成には、日光だけでなく皮膚、肝臓、腎臓などの臓器も関与していて、日に当たるだけで十分確保できる保証はないので注意が必要です。

<サプリメントはどれくらい摂ればいいの?>

私の方では用量のアドバイスできませんので、基本的には医師に相談ください。

以下は目安としてご参考にどうぞ

生後1年目までの乳児の場合、くる病予防のために10μg/日が必要となっています。

1歳以上〜成人はD-A-CHの現在の推奨値(推定値)では、1日20μgのビタミンD(=800I.U.のコレカルシフェロール)です。

ただしこの数字は目安として参考にできる量であって、個人の体内のビタミンDの蓄積量は異なります。ビタミンDは足りなくても、貯めすぎ過ぎても問題になります。

理想的なビタミンDの状態は100~150nmol/lですので判断するためには血液検査が必要です。

過不足を十分考慮する場合は医師のアドバイスに従ってサプリメントが必要か否か、

またその量を決定してください。




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